国内外問わず、猫に関することわざはたくさんありますが、一番に思いつくのが「猫に小判」ですよね。
猫にまつわることわざで「有名なもの」や「面白いもの」を厳選してご紹介します!
おまけで海外の猫にまつわることわざもご紹介します。
このことわざは江戸時代から「犬に小判」と一緒に使われていて、実は「犬に小判」の方が「猫に小判」より先に作られたのですが、猫の方が「いろはかるた」に使われて有名になっていったようです。
小判と言ったら外をうろうろしている犬より、にぎやかな商家の部屋の隅でまったりとまどろんでいる猫の方が似合いますよね。
まずは、この「猫に小判」をはじめ、猫にまつわる有名なことわざからご紹介します!
猫にまつわることわざ! 有名なもの
◆猫に小判
貴重なものを与えても、本人にはその値うちがわからないことのたとえ
◆猫の手も借りたい
とても忙しくてどんな手伝いでも良いから欲しいというほど人手がないこと
◆借りて来た猫のよう
普段と違っておとなしい様子
◆猫を被る
ニコニコして人当たりが良く相手に対する不満などは絶対に表に出さない
本性を隠して、おとなしそうにしていること
◆猫の子一匹いない
人がまったくいない事のたとえ
◆猫も杓子も
誰も彼もみな
◆窮鼠猫を噛む
追い詰められて、必死で抵抗したら弱い物でも強い物を倒すことがある
◆猫の額
猫は額が狭いことから狭い場所のたとえ
◆ネズミ捕らぬ猫
ネズミを捕らない猫は役に立たない
→ 役立たず
◆猫は禿げても猫
たとえ毛が抜け落ちても猫は猫
→ 意外なこととんでもないことは起きない
◆猫が肥えればかつお節が痩せる
かつお節食べた猫は太るが、かつお節は細くなっていく
→ 片方が得したらもう片方は損する
◆猫の額にあるものを鼠が窺う
自分の力量を考えない大きな望みを抱くこと
◆猫にかつお節
近くに好きな物を置くと危ない、過ちを犯しやすい
◆犬は人に付き、猫は家に付く
犬は飼い主に懐き、猫は家の建物・場所に馴染む
◆猫にもなれば虎にもなる
同じ人が時と場合によって、または相手の態度によって大人しくもなれば凶暴にもなること
◆猫馬鹿坊主
主(あるじ)の横に座るのは猫かお坊さんくらい
→ 上座に座る物ではない
◆猫は虎の心を知らず
ちっちゃい猫に大きい虎の心はわからない
→親の心子知らずと同じ
◆鼠捕る猫は爪を隠す
すぐれた才能や力量を持つ人は、謙虚であり、むやみにそれを人に誇示したりはしないもの
◆有っても無くても猫の尻尾
有っても無くてもいいもののこと
◆猫の魚辞退
猫は魚が好きなのに辞退するということは、長続きしないことのたとえ
→ 本心を隠し、口先だけ取り繕って断ること
※余談ですが、猫はサンマが大好きというイメージが国民的アニメの歌から植え付けられていますが、実はサンマやイワシ等の青魚を食べ続けると「黄色脂肪症」という病気になって死に至ることもあるそうです。
実は欧米では肉食のようですよ。
猫にまつわることわざ! おもしろいもの
◆猫糞を決め込む(ねこばばをきめこむ)
猫は糞を土で隠して知らんぷりすることから
→ 悪いことをしても知らん顔をする、人のものをそっと自分のものにしてしまう
◆猫の留守中にねずみが躍る
鬼の居ぬ間に洗濯。怖い人やうるさい人がいない間に、くつろいで息抜きをすることのたとえ
◆眠っている猫を目覚めさせる
余計なことをして、かえって悪い結果をまねくことのたとえ
◆猫は長者の生まれ変わり
猫はいつも寝てばかりいるので「前世は長者(お金持ち)で何不自由なく暮らしていた」
◆鳴く猫は鼠を捕らぬ
ペラペラとよく喋る人に限って口先だけで実行に移せないこと
◆女の心は猫の目
猫の黒目が大きくなったり小さくなったりすぐ変わること
→ 女心と秋の空の方と同じ
◆猫を殺せば七代祟る
執念深いので七代に渡って祟られる
→ ちょっとしたことでも恨みをかったらずっと恨まれる
◆猫を追うより魚をのけよ
問題が発生したら、その場しのぎの事をせず、根本から正すべき
海外からのことわざ
◆猫の首に鈴を付ける(bell the cat)(イソップ物語)
ねずみたちが猫に鈴を付けて猫が来たことを知ろうとするが、その鈴を誰も付けたがらなかった
→計画の段階では良いとなっても、いざ実行となると引き受け手がいないほど困難なこと
◆魚を焼くと猫が来る(イタリア)
いい話があると、それに便乗(横取り)しようとする人があるから気をつけろ
◆猫に九生あり(A cat has nine lives)/イギリス
猫は敏捷でずるがしこいためしぶとく生きのびると考えられている
→ 猫は容易に死なない
◆好奇心は猫をも殺す(Curiosity killed the cat)/イギリス
猫に九生ありと言われていても好奇心が原因で命を落とすことがあるという
→ 他人のことを過剰に詮索するとひどい目に遭う、過剰な好奇心は身を滅ぼす、と戒めるため
◆猫のように書く(Ecrire comme un chat)/フランス
日本語でいう「ミミズがのたうちまわったような文字」
とても読めないへたくそな文字
◆クリームを得た猫(like the cat that got the cream)
自分の目的を達成して満足な様子
→ 満足するために傍若無人に振る舞う人のこと
※猫という日本語は出てきませんが
◆たぬき寝入り(cat’s sleep)
ネズミを捕まえようとする猫が寝た振りをすることから、猫寝=たぬき寝入り
まとめ
「ねこばば」が「猫糞」から来ていたとはビックリでしたね。
猫ってかわいいイラストにもなるけれど、ちょっと小粋な切れ長の目をしたお姉さんというイメージから抜け出せないんですよね。
実は夜になったらキレイな着物の裾を引き摺りながら外を歩いているんじゃないか、なんて。