海外でも日本でもことわざってたくさんありますよね。
パッとみて言いたいことがわかることわざから、その意味を教えてもらわないと使い方もわからないものまで多種多様。
中でも目につきやすく身近に感じられるのは、犬や猫などの生き物にまつわることわざ。
「猫に小判」ということわざはことわざであることを忘れるくらい良く知られているので、「犬に小判」と聞いたら「それは違うよ」と大笑いされてしまいそうですが、その大笑いする人こそ大きな間違いで、「犬に小判」ということわざもあるので覚えておいてくださいね。
今回は「犬に小判」の解説と、犬にまつわることわざ23選をご紹介します。
犬に小判の解説
「犬に小判」とは「猫に小判」同様、どんなに尊い貴重なものであっても、価値の分からない人が持っていたら何の役にも立たないことのたとえを言います。
犬はエサには飛びつきますが、小判を投げても食べないし使うことも出来ないですからね。
「犬に小判」も「猫に小判」も江戸時代から使われていたようですが、実は「犬に小判」の方がその歴史は古いそうです。
いつしか「犬に小判」は同じ意味を持つ「犬に論語」の方が定着していったようで、「小判」は猫に譲ったのでしょうか。
「犬の論語」の方がなんだかちょっと賢そうですよね。
※同様の意味で「犬の前の説教」「犬の銭見たるが如し」等があります。
犬にまつわることわざ17選!
こちらでは定番の犬にまつわることわざを集めてみました。
◆飼い犬に手を噛まれる
信じていた人から裏切られたり、予想外の害を受けたりすること
◆犬も歩けば棒に当たる
犬がうろうろ歩いていると、人に棒で叩かれる(当たる)ことから
→ 出しゃばったばかりに思いがけない災難に遭うこと
反対に「当たる」という良い意味から
→ 積極的に行動すると思いがけない幸運に出遭うこと
◆犬猿の仲
犬と猿の相性が悪いことから、非常に仲が悪い人たちのことを指す
◆負け犬の遠吠え
表に出ては出来ないのに、陰では威張ったり悪口を言ったりすること
◆夫婦喧嘩は犬も食わない
夫婦喧嘩はその理由もつまらないものだったり、一時的なもので他人にはわからないもの
→ わざわざ他人が間に入るほどのものではない
◆兄弟喧嘩は犬も食わぬ
兄弟が喧嘩をするのはよくあることでその時だけですぐに仲直りをするもの
→ 相手にしなくていい
◆犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
三日飼ってもらった犬は三年間その恩を覚えている
→ 人から受けた恩を忘れてしまいがちな人間への戒め
◆尾を振る犬は叩かれず
犬が尾を振るように、誰にでも愛嬌を振りまいて従順な人は、ひどい仕打ちなどを受けることはない
◆吠える犬は打たれる
吠えてばかりいる犬は飼い主に打たれてしまう
→ 人の悪口や強気なことばかり言っていると周囲から反感を買ってたたかれてしまう
◆吠える犬は噛み付かぬ
噛み付く勇気のない犬ほど吠える
→ 威勢のいい人に限って実力がない
◆吠える犬にけしかける
勢いのある人をけしかけて、余計に調子づかせること
◆食わぬ犬をけしかける
人を噛む気がない大人しい犬をけしかけて、噛ませようとすること
→ その気のない人をそそのかす
◆老犬虚に吠えず
普段吠えない老犬が吠えるのには何か理由がある
→ 老人の忠告には素直に耳を貸すべき。
◆煩悩の犬は追えども去らず
人の心身を悩ませ苦しめる事柄は、いくら追い払ってもつきまとって離れない
◆犬も朋輩(ほうばい)鷹(たか)も朋輩
鷹狩りの時、犬と鷹は違う待遇をうける
→ 犬と鷹の身分に違いはあっても、同じ主人に仕えていれば、その差など関係ないということ
◆主憂うれば犬痩す
主人が悩んでいると、飼い犬も心配して痩せてしまう
◆門の犬にも用あり
いつも当たり前のようにいるけれど、いざという時には役に立つことがある
→ どんなものでも役に立つ
ことわざ「犬にまるまる」特集!
こちらでは「犬に○○」のことわざを集めてみました。
◆犬に論語
道理の通じない人には何を言っても無駄
◆犬に念仏猫に経
立派な教えを聞かせてもわからない、言うだけ無駄
◆犬に星
どんなに尊い貴重なものであっても、価値の分からない人が持っていたら何の役にも立たない
◆犬に懸鯛(かけだい)
立派な鯉の飾りも見る人が見なければ値打ちがない
→ いくら立派に着飾っても見る人が見なければ価値がない
◆犬に肴の番
人選を誤ること
◆犬に三年人一代、人に三年犬一代
犬のように言われて三年苦労し、あとの一生を楽に過ごす人もいれば、はじめは楽をしてあとの一生を苦労する人もいる
犬好きさんにおすすめの『犬声人語』
「一寸先は犬」
「少年よ犬を抱け」
「運を犬に任せる」
「盲導犬クイールの一生」の石黒謙吾さんがことわざの中の1語を「犬」に変えておもしろおかしく解説し、犬のイラストで人気の「雲がうまれる」がゆるぅ~いイラストを書き下ろしたコラボ本。
犬好きな人なら「わかる、わかる!」とにやりとしてうなづいてしまうはず。
堅苦しいことわざから離れてほっこりしてみるのもいいですね。
まとめ
「ことわざ」と聞くと、難しいもの、勉強して覚えるもの、昔からの言い伝え、となんだか堅苦しいものとして捉えていましたが、お正月に遊ぶかるたの中には今でこそ小さい子供がひらがなを覚えるようにキャラクターで描かれた楽しい言葉遊びのものがありますが、昔は遊びながらことわざを覚えるものでしたよね。
「犬も歩けば棒に当たる」…子供の頃は、散歩している犬でもぼ~っとすることがあって棒に当たったりするから気をつけるんだよ、という意味だと思っていました。「猿も木から落ちる」的に。
昔は犬も放し飼いだったり野良犬がたくさんいたりして、ふらふらと歩き回っている犬が噛み付いたら困る、邪魔だ、と思う人が棒を持って追い払ったりしていたんでしょうね。
ちょっとかるたに触れてみたくなったという方はこちらの記事も参考にしてください。
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